Dr河津の病気一口メモ「発熱」

発熱とは医学的には体温37.5℃以上を指します。正常体温の目安は36.9±0.3℃です。
脳幹の「前視床下部」にある体温中枢で生体内の発熱と放散のバランスをとっています。

発熱(39~41℃)するとウイルスや細菌などの攻撃因子を弱めることができ、同時に免疫反応など防衛因子が高くなります。
睡眠中枢や食欲中枢に影響するので、眠れなかったり食欲が減ったりすることがあります。

 

発熱の機序

(1)体温中枢に病変(脳炎など)が起こると体温の設定が高くなって発熱を起こします。=中枢性発熱

(2)発熱物質が体温中枢に作用すると発熱します。
・外因性発熱物資:細菌、ウイルスなどの病原微生物、その成分および代謝産物
・内因性発熱物質:IL-1、TNF、IFNなどのサイトカイン
(血球細胞の増殖と分化を制御するたんぱく質の総称)

 

発熱をきたす主な病気

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(1)感染症
上気道炎、肺炎、気管支炎
胃腸炎、虫垂炎、脳炎、髄膜炎、腎盂腎炎

(2)膠原病

(3)白血病、悪性リンパ腫

(4)薬物アレルギー

解熱剤について

(1)有用性
高熱により病態が悪化(脱水、心臓への負荷、体力消耗、食欲低下)するのを防ぎます

(2)デメリット
・体温曲線の低下により抗菌薬の効果が判定しにくくなります
・防衛反応を抑えてしまいます
・薬によっては副作用が起こります

(3)解熱剤を使用するタイミング
・高熱時に一時的に使います
・食欲がなくて食べられない時、眠れない時、泣きやまない時などに使います

 

熱性けいれんとは

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熱性けいれんは通常38℃以上の発熱に伴って乳幼児期(1~5歳)に生じます。
中枢神経感染症、代謝異常、その他の明らかな原因疾患のないものを指します。多くは熱の出始めに起こります。
熱性けいれんであれば数十秒~10分以内に自然に止まりますが、15分以上の長い場合や左右差があるときはてんかんなどの可能性もあるので注意が必要です。

 

 

 

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