Dr五十川の病気一口メモ「手足口病」

手足口病ってどんな病気?

Q1.手足口病はどんな病気?

A1.口内炎、手足に水疱性の発疹がでるウイルスでおこる病気です。

原因ウイルスはいろいろあり、コクサッキーウイルス、A6、A16、エンテロウイルス71などが主なものです。ヘルパンギーナも同じエンテロウイルスが原因なので親戚のようなものと考えられます。

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Q2.どうやって感染するの?

A2.
・飛沫感染 (咳、くしゃみなどから飛んできて感染する)
・接触感染 (発疹のある皮膚と接触することで感染する)
・糞口感染 (便の中に排泄されたものから口に入って感染する)

 

Q3.潜伏期間、感染期間、排泄期間は?

A3.ウイルスに感染して3~5日の潜伏期間で症状が発症します。感染期間は1週間から10日程です。
症状が消失してからも便中へのウイルスの排泄は1ヶ月近く続くとされています。

 

Q4.どのような症状があるの?

A4.口の中に口内炎、手足に水疱性の発疹、背中からおしりにかけての水疱性の発疹がでます。発熱も50%程度の人にはみられますが、あまり高熱にならないことが多く、1~2日で下がります。
まれですが、髄膜炎、脳炎などの合併症、心筋炎、弛緩性麻痺などを起こすことがあります。また3~4週たってから手足の爪が剥がれたり、むけたりすることがあります。

 

Q5.気をつけないといけない症状は?

A5.口内炎が痛くて食事や水分が摂れないときには、脱水症や低血糖になります。その時には「ぐったりしている」「意識がぼんやりしている」「おしっこが出ない」などの症状に注意が必要です。
「高熱が出る」「発熱が2日以上続く」「嘔吐する」「頭痛が強くなる」「呼びかけに反応しない」「けいれんを起こす」などの症状のときは髄膜炎や脳炎などの可能性があります。

 

Q6.治療法はあるの?

A6.特効薬はありません。それぞれの症状に対しての対症療法となります。

 

Q7.生活する上で注意することは?

A7.一般的な感染対策として手洗いをしっかりすること、排泄物を適切に処理することが大切です。消毒にはアルコールは効かないので次亜塩素酸(ハイターなど)がよいです。

 

Q8.学校や幼稚園・保育園にはいつから行ってもいいの?

A8.感染する可能性があっても登園、登校を禁止する必要はないとされています。「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事が摂れること」が登園の目安となっています。
上に記載したように症状が落ち着いても1ヶ月近く便からウイルスはでています。そのため完全に隔離をして他の人に感染しないようにするのは現実的には不可能です。

 

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