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禁煙は病院でする時代です!

「禁煙はしたいけど、やめられる自信がない。」 「たばこの値上げまでに何とか止めたい。」そういう方には、是非受けていただきたいのが、保険適応でもある「禁煙プログラム」です。最近は内服薬(チャンピックス)をうまく使うことで、多くの方が苦もなく禁煙を達成されています。通院は3ヶ月で5回だけ。費用は1日1箱吸っている方なら、たばこ代の2ヶ月分で十分足ります。さああなたもチャレンジしましょう!!

「体に悪いとわかっていてもタバコをやめられない… やめてもイライラしてすぐにまたタバコを吸ってしまった…」
そんな経験はありませんか? それはタバコの成分のニコチンと大きく関係しています。ニコチンは神経に作用して「タバコを吸うと集中力が高まる・気分が落ち着く」などといった気持ちにさせる働きがあります。これはコカインなどの「ドラッグ」と同様の作用です。ニコチン依存症になると、体内のニコチン濃度が下がるとイライラしたり、だるさを感じるようになります。そのため、ニコチンを補充しようとタバコを吸ってしまうのです。

まずはあなたのニコチン依存度を測定してみましょう。

設問内容
Yes:1点
No: 0点
合計
問1.自分が吸うつもりよりも、ずっと多くの本数を吸ってしまったことがありますか。
問2.禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありますか。
問3.禁煙したり本数を減らしたときに、タバコがほしくてたまらなくなったことがありますか。
問4.禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。
(イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
どれか一つでもあれば「はい」に○を。
問5.問4の症状ががまんできずに、またタバコを吸い始めてしまったことがありますか。
問6.病気にかかったときに、よくないとわかっていながらタバコを吸ってしまったことがありますか。
問7.タバコのために自分に健康上の問題が起こるとわかっていながら吸ったことがありますか。
問8.タバコのために自分に精神面の問題(タバコがないと不安になるなど)が起こるとわかっていながら吸ったことがありますか。
問9.自分はタバコに依存していると感じたことがありますか。
問10.タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けたことが何度かありますか。

ニコチン依存度テストで5点以上の方はニコチン依存症の可能性があります。 タバコを辞めたいとお考えの方は、一度診察にいらしてください。 当院でのニコチン依存症治療は健康保険が使えます。  (※ 健康保険適応となるには一定の条件がありますのでご注意下さい)

保険適応条件

  1.  過去一年間、健康保険を使ってニコチン依存症の治療をしていない方
  2.  [喫煙年数 × 1日の喫煙本数] = 200以上の方
    ※ 計算方法:現在50歳の方で、20歳より1日に約1箱タバコを吸っていた場合
    喫煙年数は30年、1日の喫煙本数は20本 … 30(年) × 20(本/1日) = 600 となります
  3. ニコチン依存度が5点以上の方
  4.  直ちに禁煙しようとお考えの方

 

禁煙補助薬について

禁煙にはやめようという強い意思が必要ですが、無理やり力ずくで行なうと、失敗した時の反動が大きくなります。補助薬を使って「楽に」やめることが大事です。禁煙を補助する薬は3種類あります。
1.ニコチンガム    2.ニコチンパッチ  3.内服薬
医療機関で保険が利くのは「2.ニコチンパッチ」と「3.内服薬」です。

  1. 【ガム】
    吸いたい衝動を緩和するために使います。吸いたくなったら、少し噛んでニコチンを取り入れます。噛み続けるのではなく、衝動が収まったら口の中に貼り付けておき、また吸いたくなったら噛むというように使います。 処方箋なしで買うことが出来ます。
    ニコレット®ニコチネル®ミント
  2. 【パッチ】
    ニコチネルTTS®の30mgから使うことが多いですが、一日一枚、2週間から6週間くらい貼って、なれた頃に20mg→10mgと減量していきます。ニコチンの吸収量が一日の間で平均していることは、吸いたい衝動を少なくするために大事だと言われています。  欠点は、心筋梗塞や脳梗塞などを起こしたばかりの人は使えないということと、かぶれ易い人はかゆみが出てしまうということです。 処方箋なしで買えるニコレットパッチ®は20mgと10mgの二種類なので、10週間の処方限度期間を超えてもどうしてもやめられない時には、市販薬を併用することになります。
    ニコチネルTTS®ニコレットパッチ®
  3. 【内服薬】
    体の中にあるニコチン受容体と結合する薬です。ニコチンは含まれていませんが、ニコチンと同じように感じるので、吸いたい気持ちが和らぎます。 また、タバコを吸ってもおいしく感じないという効果もあります。ニコチンを体内に入れることに違和感のある方は、こちらがお勧めです。他の薬とののみ合わせも問題なく、心筋梗塞・脳梗塞直後の方でも使用できます。  欠点は、多少ムカムカ感が生ずる可能性があることです。そのため、内服当初は0.5mg1錠から始め、徐々に増やしていくというやり方をとります。
    チャンピックス®

禁煙指導の実際

保険を使った禁煙指導は3ヶ月のプログラムとなっています。毎回呼気COモニターを使って、吐く息に含まれる一酸化炭素の濃度をみて、喫煙の影響を客観的に評価します。処方は2週間分ずつになります。薬なしで禁煙が続いていても、油断しないで、必ず3ヶ月頑張って通院してください。通院回数は5回から7回です。禁煙補助薬はご要望を勘案しつつ、最もふさわしいものを選んでいきます。

長年にわたる喫煙により、動脈硬化・がん・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・歯周病などいくつかの病気が心配されます。ご要望に応じて、これらの疾患の有無を検査・診断し、治療していくことも可能です。

費用は、初回230点(690円)、2~4回目184点(550円)、5回目180点(540円)が診療費に追加されます。(カッコ内は3割負担の自己負担金)