通常、心臓は、1分間に60回ぐらいの規則正しいリズムで拍動していますが、このリズムが不規則になることがあります。このような状態を、不整脈と呼びます。一口に不整脈といっても多種多様であり、治療が全く不要なものから命にかかわるものまで様々です。たとえば運動や精神的な興奮、発熱などにより脈が速くなりますが、これはだれにでも起こる生理的な現象といえます。 脈が不規則になるものの中に期外収縮があります。これは40歳を超えるとほぼ全員に認められるようになり、年をとるにつれて増加しますが、期外収縮の数が少ない場合は生理的な不整脈といえないこともありません。
また、一般に脈拍が1分間に40以下になる徐脈となると、息切れや、めまいなどの症状が出やすくなります。一方、明らかな誘因がないのに、突然脈拍が120以上になる場合は病的な頻脈の可能性があります。頻脈になると動悸や息切れのほかに、時には胸痛やめまい、失神といった症状が出ることがあります。
不整脈は、心電図をとることで、種類を見分けることができます。 通常は12誘導心電図という方法で1分間ほど記録するのですが、この方法は簡単である反面、記録中に不整脈がでなければ、わからないという欠点をもっています。そこで、異常が発見されるためのいくつかの工夫がなされます。代表的なものは長時間心電図をとり、異常が出るのを待つ方法です。
この目的のために作られたのが、ホルター心電図という24時間分の心電図がとれる検査装置です。このホルター心電図は小型で携帯が可能であり、仕事、スポーツ等は普段通りにできます。ただし、機械は水に濡れると故障しますので、入浴と水泳は出来ません。24時間心電図をとれますから、一日の様々な状況下での心電図を測定することが出来ます。体を動かしている時、食事、トイレ、飲酒、睡眠など。これらの間に不整脈がおこれば、その種類、頻度等を知ることができますそれでも発見できない場合は、運動を負荷して心電図を測定する方法もあります。
また、不整脈の原因として、種々の心疾患や、電解質異常、ホルモン異常などが存在することがあり、超音波検査や血液検査も行ってみるのがよいでしょう。当院では従来のテープ型ではなく、SDカードを用いた超小型で軽量のホルター心電図での検査が可能です。
まずは、気楽にご相談いただければと思います。