診療時間
受付時間は診療開始~終了15分前になります
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呼吸器内科
呼吸器内科では、せきがおさまらない、息切れがする、タバコをやめたい、肺がんが心配といった悩みにお応えします。
病気としては、ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支拡張症、間質性肺炎、結核、非結核性抗酸菌症、肺炎、気管支炎、睡眠時無呼吸症候群、ニコチン依存症といったものが対象となります。
受診される方の中でもっとも頻度の高いものが「せき」ですが、鑑別診断としては、感染症(結核・マイコプラズマ・百日咳・クラミジアなど)、アレルギー疾患(気管支ぜんそく・せきぜんそく・アトピー咳漱など)、副鼻腔気管支症候群、上気道炎の遷延性炎症、COPD、食道胃逆流症、肺がんなどが挙げられます。
当院では血液検査によるアレルギー素因の検索や、X線撮影、喉頭ファイバー、スパイロメーターを用いた肺機能検査などを行っています。必要に応じて、副鼻腔や胸部のCT検査を実施します。
ぜんそく
疾患概要
ぜんそくの人の気道は、症状がないときでも常に炎症をおこしており、健康な人に比べて気道が狭くなって空気が通りにくくなっています。炎症がおこっている気道はとても敏感になっていて、正常な気道ならなんともないホコリやタバコ、ストレスなどのわずかな刺激でも狭くなり、発作がおきてしまいます。 ぜんそくの治療は、発作をおこさないための気道炎症の治療が中心となります。日本では、ぜんそくの患者さんは増えており、1960年代では子どもも大人も1%前後でしたが、最近の調査では子どもで約6%と6倍、大人で約3%と3倍になっており、全体では400万人を超えています。家屋構造の変化によるアレルゲンの増加、排気ガスや工場排煙などによる大気汚染、食品や住宅建材などの化学物質、長時間勤務による過労やストレスが増えたこと、清潔すぎる環境(衛生仮説)などがぜんそくを発症させる要因のひとつと考えられます。
症状
ぜんそくは、せきやたん、息苦しさや「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴など、さまざまな症状があります。最近では咳だけのぜんそく(せきぜんそく)も増加しています。また、胸の痛みやのどに感じる違和感などもぜんそくの症状のひとつです。このような症状が続いている⽅は、⼀度病院・診療所を受診しましょう。治療せずに放置すると、気道の炎症が悪化して、発作の頻度が多くなったり、症状が重くなったりします。
検査
- 呼吸機能検査
- 胸部レントゲン検査:ぜんそくと同じような症状を持つ他の呼吸器疾患との判別や、肺炎などの合併症を知るために行う検査です。
- その他の検査:必要に応じて、心電図検査や心エコー検査、胸部CT検査、気管支鏡検査などを行います。
治療
症状が起こらないようにするには、慢性の気道の炎症をおさえることが重要です。基本の治療薬は、「吸入ステロイド薬」で、炎症をおさえる効果が高い薬剤です。最近は、この吸入ステロイド薬と、気道を広げ呼吸を楽にする長時間作用性β2刺激薬が一緒に吸入できる配合剤も使用されることがあります。
また、吸入ステロイド薬や配合剤などによる治療を毎日行うと同時に、症状のひき金となる刺激やアレルゲンを避けることも大切です。体調や室内の環境を整え、禁煙や十分な睡眠など生活習慣の改善や風邪をひかないよう心がけましょう。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
疾患概要
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。
症状
歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせきやたんが特徴的な症状です。一部の患者では、喘鳴や発作性呼吸困難などぜんそくの様な症状を合併する場合もあります。
検査
確定診断のためには、スパイロメトリーという呼吸機能検査を行います。
1秒率(FEV1.0%)とよばれる数値が70%未満で、その他の閉塞性肺疾患を除外できればCOPDと診断されます。
COPDの病状の把握には、胸部CTを行い肺胞の破壊(気腫性病変)を確認することも重要です。
治療
喫煙を続けると呼吸機能の悪化が加速してしまいますので、禁煙が治療の基本となります。増悪をさけるためには、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が勧められます。
薬物療法の中心は気管支拡張薬(抗コリン薬・β2刺激薬・テオフィリン薬)です。効果や副作用の面から吸入薬が推奨されており、主として長時間気管支を拡張する吸入抗コリン薬や吸入β2刺激薬が使用されています。気流閉塞が重症で増悪を繰り返す場合は、吸入ステロイド薬を使用します。
長時間作用性β2刺激薬と吸入用ステロイドの配合薬も有用であることが証明されています。非薬物療法では呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸や腹式呼吸などの呼吸訓練・運動療法・栄養療法など)が中心となります。
低酸素血症が進行してしまった場合には在宅酸素療法が導入されます。さらに呼吸不全が進行した場合は、小型の人工呼吸器とマスクを用いて呼吸を助ける換気補助療法が行われることもあります。症例によっては過膨張した肺を切除する外科手術(肺容量減少術)が検討されることもあります。
間質性肺炎
疾患概要
肺は非常に目が細かいスポンジのように、肉眼では見えない小さな無数の空間が集合した構造をしています。口・鼻・気管・気管支を通って肺に入ってきた空気は、肺の末端の肺胞(はいほう)と呼ばれる、小さな部屋に入ります。小さな部屋は肺胞隔壁(かくへき)とよばれる壁で囲われており、薄い壁の中の毛細血管との間で酸素と二酸化炭素のガス交換を行っています。このガス交換をおこなう肺胞隔壁などを「間質(かんしつ)」といいます。「間質性肺炎」は、この間質に免疫の細胞が集まったり(炎症)、コラーゲンなどの線維質が増えた状態(線維化)であり、線維化がおこるため「肺線維症」とも呼ばれます。
間質性肺炎の原因は多岐にわたり、職業・環境性や薬剤など原因の明らかなものや、膠原病・サルコイドーシスなどの全身性疾患に付随して発症するものとともに、原因が特定できないものもあります。
症状
一般的な症状は長引くせき(たんがからまない乾いたせき)や、坂や階段を上るときの呼吸困難感です。健康診断などで発見される場合、症状がないことも多くあります。
原因が特定できない「特発性間質性肺炎」の場合、初期には症状はありませんが、症状は長年かけて出現・次第に進行していきます。しかしながら、病状の進行の程度は人それぞれであり、進行がほとんどみられない方もいます。
検査
症状や胸部レントゲン写真で間質性肺炎が疑われたら、肺のCT検査や血液検査でKL-6やSP-D など間質性肺炎で上昇するマーカーを測定し、診断や治療効果の判定に役立てます。自己抗体が上昇していれば自己免疫疾患が原因で発症する間質性肺炎の可能性が高い、など原因についての情報が得られることもあります。
治療
診断・病型分類に応じて、原因からの回避、ステロイド・免疫抑制剤・抗線維化薬などの薬物治療、在宅酸素療法、呼吸リハビリテーション、栄養療法を行います。呼吸困難を回避する生活様式やワクチン接種による感染予防なども重要です。
肺MAC症(非結核性抗酸菌症)
疾患概要
肺MAC症とは、Mycobacterium avium complex (通称MAC:マック)という菌による肺の慢性感染症です。Mycobacterium aviumとMycobacterium intracellulareという2つの菌からなります。
結核菌と違い、MAC菌は人から人には感染しないとされていますが、抗菌薬治療が難しい感染症で、近年その増加が問題となっています。MAC菌は水や土壌など身近な自然環境に広く存在する菌であり、ほとんどの場合で気がつかないうちに感染します。
症状
多くの場合、10年以上かけてゆっくりと進行し、長引く咳、痰、血痰、発熱、体重減少、全身倦怠感が出ることがあります。また、健康診断の際の画像検査で、症状がなくても発見される場合もあります。
検査
喀痰検査を培養してたんの中にMAC菌がいるかどうかを調べますが、通常の細菌と違い増殖のスピードが遅く、結果が出るのに1か月以上かかる場合があります。
画像検査では胸部X線や胸部CTを行います。胸部CTでは多発する小結節影や気管支拡張像、結核に類似した空洞などの所見がみられます。また補助的な診断として、MACの細胞成分に対する抗GPL-coreIgA抗体(抗MAC抗体)を血液検査で検出することがあります。
治療
肺MAC症は抗菌薬治療が非常に難しい感染症で、治癒を期待できるくすりは今のところありません。個人差はありますが、数年から数十年かけてゆっくりと進行する感染症です。ときに自然軽快することもあるため、軽症の時には経過観察のみを行うこともあります。
一方、症状があり、画像上も進行速度が早く、感染症の活動性がある場合には、抗結核薬を含めたクラリスロマイシン(CAM)、 エタンブトール(EB)、リファンピシン(RFP)の3種の抗菌薬内服による多剤併用療法が標準治療になります。薬物治療は、少なくとも2年~3年(菌が培養されなくなってから1年間)続ける必要があります。十分な期間治療し除菌に成功しても再燃することもあり、ひきつづき画像検査や喀痰検査での経過観察が必要です。
MAC症の広がりが限局的である場合や病状の進行の恐れのある不安定な空洞が存在する場合などには、抗菌薬治療に加えて外科治療を選択することがあります。
呼吸機能検査
呼吸機能検査とは
呼吸機能検査(スパイロメトリー)は、肺がどれくらいの量の空気を吸い込み、どれくらいの速さで空気を吐き出すことができるかを測定する検査です。これにより、肺や気道の機能がどれほど正常に働いているかを評価できます。肺機能検査は痛みを伴わず、体に負担をかけない侵襲性の低い検査です。検査結果はすぐに得られるため、その場で医師から説明を受けることができます。
呼吸機能検査の目的
呼吸困難の評価
息切れや呼吸困難を感じる場合、肺の機能が正常に働いているかを確認します。
肺疾患の診断
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ぜんそく、肺線維症などの肺疾患の診断に役立ちます。
治療効果の評価
既存の治療が効果的かどうかを確認し、必要に応じて治療計画を見直します。
検査項目
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肺活量
ゆっくりと呼吸して測定します。ゆっくりと最後まで吐ききったところ(最大呼気位)から、空気をゆっくり胸いっぱい吸い込んだところ(最大吸気位)まで吸える量をみます。最大吸気位から再びゆっくり最大呼気位まで吐ききります。吸った時とほぼ同じ量が吐かれます。性別、年齢、身長から求めた標準値に対して80%以上を正常とします。
肺活量の減る病気:間質性肺疾患、肺線維症など肺が硬くなる場合、後側湾症など胸が変形する病気、呼吸筋力が低下して肺の容積が小さくなる病気など - 努力肺活量
胸いっぱい吸い込んだ空気を、できるだけ勢いよく吐いて測定します。最大吸気位から最後まで吐ききるまでの量をみます。
喘息やCOPDなどがあると、ゆっくりと呼吸したときの肺活量より減ります。 - 1秒量
努力肺活量のうち、最初の1秒間に吐くことができた空気の量です。この量が性別、年齢、身長から求めた標準値に比べて少ないときは、気管支が狭くなっている可能性があります。気管支拡張薬を吸入した前後で測定し、前後の値を比べることもあります。
1秒量が減る病気:COPDや喘息などの病気が考えられます。 - 1秒率
努力肺活量に対する1秒量の割合で、70%以上を正常とします。1秒率はぜんそくやCOPDなどの気道が狭くなる病気を簡便に見つける指標です。

