ワクチン詳細一覧
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は、肺炎や中耳炎、髄膜炎、敗血症などの感染症を引き起こす原因となる細菌です。特に乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ方は感染リスクが高く、重症化しやすいため、ワクチン接種が推奨されています。5年ごとの追加接種が推奨されています。以下の2種類をお勧めしています。
①プレベナー20:PCV20(肺炎球菌結合型ワクチン:Pneumococcal Conjugate Vaccine)
乳幼児や高齢者に推奨されるワクチンで、20種類の肺炎球菌に対応しています。
- 小児 定期接種(助成あり)
- 生後2か月から接種開始
- 3~8週間隔で3回接種
- 1歳~1歳半の間に4回目を接種し完了
- 費用:無料
- 高齢者 任意接種(助成なし)
- 接種回数:1回
- 費用:11,550円
ニューモバックスNP:PPSV23(肺炎球菌ワクチン:Pneumococcal Polysaccharide Vaccine)
高齢者や基礎疾患を持つ方に推奨されるワクチンで、23種類の肺炎球菌に対応しています。
- 定期接種(助成あり):1,500円
- 65歳の方
- 60~64歳で、心臓・腎臓・呼吸器に障害のある方、HIV感染により日常生活に制限のある方。
- 任意接種(助成なし):8,800円
- 接種回数:1回(5年ごとに追加接種推奨)
- 2歳以上で基礎疾患を持つ方
PCVとPPSVの併用について
PCV20とPPSV23を組み合わせて接種すると、より強固な免疫を得ることができます。
推奨される接種スケジュール
- PPSV23を先に接種した場合 → 1年後にPCV20を接種
- PCV20を先に接種した場合 → 半年後にPPSV23を接種
B型肝炎(HBV)ワクチン
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスによって引き起こされる感染症です。ウイルスは血液や体液を介して感染し、急性肝炎や慢性肝炎を引き起こすことがあります。特に、乳幼児期に感染すると持続感染(キャリア化)しやすく、将来的に肝硬変や肝がんのリスクが高まることが知られています。B型肝炎ワクチンは、このウイルスに対する免疫をつけるための有効な予防策です。小児・成人ともに接種が推奨されています。
小児のHBVワクチン
- 対象者
- 日本では、2016年10月以降、すべての赤ちゃんにB型肝炎ワクチンの定期接種が行われています。
- 接種スケジュール
- 生後2か月・3か月・7~8か月の計3回接種します。
- 費用
- 定期接種(助成あり:無料
- 注意点
-
- 早産児でも生後2か月から接種を開始できます。
- すでに母子感染のリスクがある場合(母親がB型肝炎ウイルス陽性)は、出生直後に免疫グロブリン(HBIG)とともにワクチン接種を行います。
成人のHBVワクチン
- 推奨対象者
-
- 医療従事者や介護職(血液や体液に触れる機会が多いため)
- 家族にB型肝炎ウイルスのキャリアがいる方
- 海外渡航予定の方(特にB型肝炎の流行地域)
- 性行動リスクの高い方
- 免疫機能が低下している方(透析患者や臓器移植を受けた方など)
- 接種スケジュール
- 初回・1か月後、6か月後の3回接種
- 費用
- 任意接種(助成無し):4,400円/回
- 注意点
-
- 過去にB型肝炎に感染したことがある方は、ワクチンは不要です。血液検査(HBs抗原・HBs抗体:自費)も可能です。
- 1回の接種では十分な免疫がつかないため、3回接種することが大切です。
ロタウイルスワクチン
乳幼児に重篤な急性胃腸炎を引き起こすウイルスであり、激しい下痢や嘔吐、発熱が現れます。6ヶ月〜24ヶ月で罹患率が高くなっており、入院が必要となる重篤なケースもあります。
- 採用しているワクチン
- 1価のロタウイルスワクチン(ロタリックス)
- 接種対象と回数
-
- 対象:生後6週~24週までの乳児
- 接種回数:2回
- 1回目:生後6週~14週6日までに接種
- 2回目:1回目から4週以上の間隔をあけ、遅くとも生後24週までに完了
- 費用:定期接種(助成あり):無料
- 注意点
- 接種後にごくまれに腸重積症(腸が重なり合う病気)が起こると報告されています。接種後1週間に、腹痛・嘔吐・血便などが見られた場合はすぐにご相談ください。
5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)
5種混合ワクチンは、ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ、Hib(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)を予防するワクチンです。特に乳幼児期に重症化しやすい感染症を防ぐため、適切な時期での接種が推奨されます。
- 対象年齢
- 生後2か月~7歳6か月未満
- 接種回数
- 4回(初回3回+追加1回)
DTワクチン(ジフテリア・破傷風ワクチン)
ジフテリアと破傷風を予防する二種混合ワクチンです。小児期に接種したDPTワクチンの効果を維持するため、小学校高学年で接種します。
- 対象年齢
- 11歳~13歳未満
- 接種回数
- 1回
DPTワクチン(ジフテリア・百日せき・破傷風ワクチン)
DPTワクチンは、ジフテリア、百日せき、破傷風を予防する三種混合ワクチンです。百日せきは成人でも感染する可能性があり、特に乳幼児と接する機会の多い方や、海外渡航者には接種が推奨されます。
- 対象
- 成人(海外渡航者、医療従事者、乳幼児と接する方)
- 接種回数
- 1回(必要に応じて追加接種)
破傷風ワクチン
破傷風は、傷口から菌が侵入し発症する病気で、重症化すると筋肉の強いけいれんを引き起こします。特に海外旅行やアウトドア活動、外傷リスクのある方に接種が推奨されます。
- 対象
- 成人(外傷リスクの高い方、渡航者)
- 接種回数
- 3回(初回2回+追加1回)、その後10年ごとに追加接種
BCGワクチン
BCG(Bacille de Calmette et Guérin)は、結核を予防するための生ワクチンです。特に乳幼児の重症結核(結核性髄膜炎や粟粒結核)を防ぐ効果があり、日本では定期予防接種として接種が推奨されています。
- 接種対象とスケジュール
- 生後5か月から8か月未満の乳児
- 接種回数
- 1回
- 接種方法
- スタンプ式の専用器具を用いて上腕に接種します。ワクチンが皮膚にしっかり吸収されることで、免疫が形成されます。接種後、赤く腫れることがありますが、多くの場合は自然に治まります。
- 副反応について
- 接種後、数週間以内に接種部位が赤くなり、膿が出ることがありますが、これは正常な反応です。ただし、強い腫れや発熱が続く場合は、医師に相談してください。
麻疹・風疹(MR)ワクチン
麻疹と風疹の予防には、MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)が有効です。一度の接種で両方の感染症を予防することができます。
1. 麻疹(はしか Measles)とは?
麻疹ウイルスによって引き起こされる感染症で、発熱、咳、鼻水、発疹が特徴です。重症化すると肺炎や脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。非常に感染力が強く、免疫のない人が感染するとほぼ100%発症します。
2. 風疹(ふうしん・三日はしか:Rubella)とは?
風疹ウイルスによる感染症で、発熱、発疹、リンパ節の腫れが主な症状です。軽症で済むこともありますが、妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群(心疾患、難聴、白内障など)を引き起こす可能性があります。
小児
定期接種(助成あり)
- 1期:歳(生後12か月~24か月未満)
- 2期:小学校入学前の1年間(5歳~6歳)
成人
- 妊娠を希望する女性(特に風疹の抗体が低い方)
- 妊婦の家族や同居者
- 医療従事者や保育士など、感染リスクが高い職業の方
- 過去に麻疹・風疹の予防接種を受けていない、または接種歴が不明な方
- 昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性(統計上風疹の抗体が低いため)
費用
定期接種(助成あり):無料
任意接種(助成なし):9900円/回
風しん抗体検査および予防接種:公費(無料)助成制度
水痘・帯状疱疹ワクチン
水痘(水ぼうそう)と帯状疱疹は、いずれも水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる疾患です。これらの感染や発症をワクチンが予防します。
小児における水痘ワクチン接種
水痘は、主に小児期に発症しやすい感染症で、水疱性の発疹や発熱を特徴とします。ワクチンは重症化や合併症を防ぎます。
- 初回接種:生後12か月から15か月の間に1回接種
- 追加接種:初回接種後、3か月以上の間隔をあけて1回接種(標準的には6か月から12か月の間隔)
重症の水痘をほぼ100%予防でき、軽症の水痘も発症を大幅に減らすことが可能です。
成人における帯状疱疹ワクチン接種
帯状疱疹は、水痘に罹患した後、体内に潜伏していたウイルスが再活性化することで発症します。特に50歳以上で発症リスクが高まるため、予防接種が推奨されています。
当院では、帯状疱疹発症の予防効果が高く、長期間の持続性が期待されている「シングリックス(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)」を推奨しています。不活化ワクチンのため、免疫力が低下している方にも接種が可能です。
- 対象:50歳以上
- 接種回数:2回(2か月~6か月間隔)
- 予防効果:帯状疱疹の発症を約97%、帯状疱疹後神経痛を約85%減少
- 持続期間:現状では一生に1回追加接種すればよいとされています
- 費用:22,000円/回
目黒区・豊島区の助成制度
- 対象者
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- 各区に住民登録がある50歳以上の方
- 接種券を区に請求して頂きます
- 助成対象ワクチンと助成額
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- シングリックス(不活化ワクチン)
- 助成額(目黒区):10,000円×2回(最大20,000円)
- 助成額(豊島区):11,000円×2回(最大22,000円)
- 特徴:高い予防効果(約97%)、持続期間が長く、免疫力が低下している方にも接種可能
- 乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン)
- 助成額:5,000円(1回のみ)
- 特徴:一定の予防効果はあるが、免疫力が低い方は接種不可
- シングリックス(不活化ワクチン)
- 申請方法
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- 申請・受け取り
- 目黒区:予診票を申請・受け取り
- 電子申請:目黒区公式サイトから申請
- 電話申請:感染症対策課 予防接種係(03-5722-7047)に連絡し、予診票を郵送で受け取る
- 豊島区:予診票を申請・受け取り
- 郵送申請:専用ダイヤル(03-4566-4116)に連絡(到着まで約1か月)
- 窓口受け取り:池袋保健所、区役所本庁舎4階保健所出張窓口、長崎健康相談所に本人確認書類を持参(即日受け取り可)
- 目黒区:予診票を申請・受け取り
- 予診票を持参し、区内の指定医療機関で接種
- 申請・受け取り
- 注意事項
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- 予診票がないと助成は受けられません。
- 助成は生涯で1回のみです。
- 目黒区外の医療機関では助成が適用されません。
豊島区 帯状疱疹ワクチン助成制度
おたふくかぜワクチン
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスによって引き起こされる感染症で、主に耳下腺の腫れや発熱が特徴です。多くの場合、2~9歳の子どもが罹患し、特に3~4歳に多く見られます。感染は飛沫感染や接触感染によって広がります。
おたふくかぜは通常軽症ですが、以下のような合併症を引き起こすことがあります。
- 無菌性髄膜炎:発熱、頭痛、嘔吐などの症状が現れます。自然感染による発生頻度は約1.24%と報告されています。
- 感音性難聴:約1,000人に1人の割合で発生し、多くの場合、回復が困難とされています。
- 精巣炎・卵巣炎:思春期以降に感染すると、精巣炎や卵巣炎を引き起こすことがあります。特に男性では精巣炎が数%の頻度で発生しますが、不妊症の原因となることは稀です。
おたふくかぜワクチンは、弱毒化したムンプスウイルスを使用した生ワクチンで、接種後に体内でウイルスが増殖し、約90%の人に抗体が形成されます。これにより、発症や重症化のリスクを低減できます。日本小児科学会では、1歳以上での接種を推奨しており、免疫効果を高めるために数年後の2回目接種が推奨されています。
副反応について
接種後、以下の副反応が報告されています。
- 一般的な副反応:接種部位の赤みや腫れ、発熱、耳下腺の腫れなど。通常、数日以内に自然に回復します。
- まれな副反応:無菌性髄膜炎(発生頻度は0.03~0.06%)、アナフィラキシー、血小板減少性紫斑病など。これらの症状が現れた場合は、速やかに医師の診察を受けてください。
目黒区の助成制度
目黒区では、おたふくかぜワクチン接種費用の一部助成を行っています。接種費用のうち、3,000円(助成は1回のみ)を助成します。目黒区実施医療機関窓口で、各医療機関が定める接種費用から区の助成額を引いた金額をお支払いください。ただし、生活保護受給世帯及び中国残留邦人等支援給付受給世帯の方は全額助成(全額免除)があります。接種日当日に目黒区に住民登録がない方(目黒区から転出された方)は、この助成を受けることはできません。
目黒区のおたふくかぜ予防接種豊島区の助成制度
豊島区では、1歳以上3歳未満のお子さんを対象に、おたふくかぜワクチンの接種費用を助成しています。予診票は1歳になる前月末に送付され、指定医療機関で予診票を提出することで、無料で接種を受けることができます。また、令和7年度からは、5歳以上7歳未満で、小学校就学前1年間の期間にあたる方に、1回3,000円を助成する制度が開始されます。
目黒区のおたふくかぜ予防接種日本脳炎ワクチン
日本脳炎ウイルスは、蚊を媒介して人に感染します。発症すると高熱や意識障害、けいれんなどの神経症状を引き起こし、重篤な場合には後遺症が残ることもあります。日本では発症例は少ないものの、流行地域では毎年感染者が報告されており、ワクチン接種による予防が重要です。
小児の定期接種(助成あり)
1期(生後6か月~7歳半未満)
- 1回目:3歳
- 2回目:3歳(1回目の1~4週間後)
- 追加接種(3回目):4歳
2期(9歳以上13歳未満)
- 4回目:9歳
対象年齢を超えると自己負担となるため、適切な時期に接種することが推奨されます。
成人の接種(助成無し)について
成人で日本脳炎ワクチンの接種を推奨されるのは、以下のようなケースです。
- 日本脳炎ワクチンの接種歴が不明または未接種の場合 幼少期に日本脳炎ワクチンを接種していない、または接種歴が不明な方
- 流行地域(アジア・東南アジア・南アジアなど)への渡航予定がある場合 特に農村部に長期滞在する方や屋外活動が多い方は、感染リスクが高いため、渡航前の接種をお勧めします。
接種回数とスケジュール(成人)
- 1回目:任意の時期
- 2回目:1回目の接種から1~4週間後
- 追加接種(3回目):1年後(長期間の免疫維持のため)
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、子宮頸がんや尖圭コンジローマなどの原因となるウイルスです。
ワクチンの効果
- 17歳になる前にHPVワクチンを接種すると、子宮頸がんのリスクが88%低下するという報告があります。
- 17~30歳で接種しても、53%のリスク低下が期待できます。
- 男性にも接種が推奨されており、以下の疾患の予防に有効です。
- 肛門がん
- 陰茎がん
- 中咽頭がん
- 尖圭コンジローマ
対象者とワクチンの種類
| ワクチン名 | 対象者 | 接種回数 |
|---|---|---|
| 4価ワクチン ガーダシル® | 9歳以上の男女 | 3回(9~15歳未満は2回接種も可) |
| 9価ワクチン シルガード9® | 9歳以上の女性 | 3回(9~15歳未満は2回接種も可) |
接種スケジュール
4価ワクチン(ガーダシル®)/9価ワクチン(シルガード9®)
- 1回目 → 2か月後(2回目) → 6か月後(3回目)
- 9~15歳未満の方は2回接種も可能
- 1回目 → 6か月後(5~13か月の間で接種可能)
- 5か月未満しか空けられない場合は3回接種が必要
- 標準スケジュールが守れない場合
- 1回目と2回目の間は1か月以上
- 2回目と3回目の間は3か月以上
接種費用
- 定期接種・キャッチアップ接種・男性(小6~高1相当年齢)費用助成:無料
- 任意接種(助成なし)
- 9価ワクチン(シルガード9®):33,000円/1回
- 4価ワクチン(ガーダシル®):19,800円/1回
自治体のHPVワクチン助成情報
豊島区
目黒区
A型肝炎(HAV)ワクチン
A型肝炎は、HAVによって引き起こされる感染症で、主にウイルスに汚染された飲食物を摂取することで感染します。発展途上国や衛生環境の整っていない地域での感染リスクが高く、日本でも生がきや海産物による感染が年間500人前後報告されています。罹患年齢では乳幼 児や学童は稀で、高年齢化が認められます。 子供の感染では症状が軽くてすみますが、高齢者 では重症化しやすく、発熱、倦怠感、黄疸、食欲不振などの症状が現れます。重症化して劇症肝炎となると生命の危険もあります。
- 接種スケジュール
- 初回・1か月・6か月の3回接種
短期間の渡航を予定している場合は、最低1回の接種でも一定の予防効果が期待できます。 - 接種を推奨する方
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- 海外渡航者(特に東南アジア、アフリカ、中南米など衛生環境の異なる地域に行く方)
- 飲食業に従事する方(感染予防の観点から)
- 医療従事者(感染のリスクがあるため)
- 肝疾患をお持ちの方(A型肝炎にかかると重症化しやすいため)
- アウトドアやキャンプを頻繁に行う方
髄膜炎菌ワクチン
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は、細菌性髄膜炎や敗血症を引き起こす原因菌の一つです。特に乳幼児、思春期の若者、免疫力の低下した方が感染しやすく、重症化すると短期間に重症化し、命に関わることもあります。感染は飛沫(くしゃみ・咳)や密接な接触によって広がるため、集団生活をする環境では注意が必要です。
当院では4価髄膜炎菌ワクチンを採用しており、髄膜炎菌のA・C・W・Y型対する免疫を獲得することができます。
- 接種対象と推奨される方
-
- 海外留学や渡航を予定している方(特にアメリカやイギリスなど、接種が義務付けられている国)
- 寮や共同生活をする学生(大学の寮やスポーツ合宿など)
- 医療従事者
- 免疫不全の方や脾臓摘出を受けた方
- 接種スケジュール
- 1回接種
狂犬病ワクチン
狂犬病は発症すると致死率がほぼ100%の感染症です。
海外では今なお多くの発症例があり、特に東南アジアやアフリカ、中南米の一部地域では注意が必要です。狂犬病ウイルスは、感染した動物(犬、猫、コウモリ、サルなど)に咬まれたり、引っかかれたりすることで体内に侵入します。
ワクチン接種の重要性
狂犬病はワクチンで予防できます。渡航先のリスクに応じて、事前にワクチン接種を受けることで万が一の感染リスクを低減できます。特に以下のような方には、事前接種を推奨しています。
- 狂犬病の流行地域へ渡航予定の方(特に長期滞在や動物との接触機会がある場合)
- 獣医師や動物保護活動に従事する方
- 山岳・森林地域を訪れる予定の方
使用するワクチン:ラビピュール
当院で採用している「ラビピュール(Rabipur)」は、不活化ワクチンで安全性が高く、WHO(世界保健機関)でも推奨されているワクチンです。3回の接種で長期間にわたる免疫を獲得できます。
- 事前接種(暴露前接種)
-
- 1回目:初回接種
- 2回目:初回接種の7日後
- 3回目:初回接種の21日後または28日後
- 暴露後接種(動物に咬まれた後)
- 狂犬病流行地域で動物に咬まれた場合、すぐに医療機関を受診し、適切な処置を受けることが重要です。ワクチンの接種歴に応じて、追加のワクチン接種や狂犬病免疫グロブリンの投与が必要になります。
RSウイルスワクチン
RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus:RSV)は、乳幼児に咳を引き起こす感染症として有名なウイルスですが、高齢者を含め幅広い年齢層に感染します。特に乳幼児や高齢者、基礎疾患をお持ちの方は重症化するリスクが高く、肺炎や細気管支炎などを引き起こします。
- 対象者
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- 60歳以上の方
- 基礎疾患(心疾患・肺疾患・糖尿病など)をお持ちの方
- 医師が必要と判断した方
ダニ媒介性脳炎ワクチン
ダニ媒介性脳炎(TBE)とは?
ダニ媒介性脳炎(Tick-Borne Encephalitis, TBE)は、ウイルスに感染したマダニの咬傷を介して発症する感染症です。ヨーロッパやロシアを中心に発生し、日本国内でも北海道で感染が報告されています。TBEウイルスに感染すると、発熱や頭痛などの症状から、重症化すると脳炎や髄膜炎を引き起こし、後遺症が残ることもあります。
ワクチンの重要性
ダニ媒介性脳炎に対する特効薬はなく、重症化を防ぐためにはワクチン接種が最も有効な予防策です。特に、TBEウイルスの流行地域へ渡航予定のある方や、長期間の滞在を予定されている方は、事前にワクチンを接種することが推奨されます。
ワクチンの接種スケジュール
TBEワクチンは、3回の接種で十分な免疫を獲得できます。一般的なスケジュールは以下のとおりです。
- 通常スケジュール
(標準的な接種方法) -
- 1回目:初回接種
- 2回目:1回目の接種から1〜3か月後
- 3回目:2回目の接種から5〜12か月後
- 迅速スケジュール
(早期免疫獲得を希望する方) -
「すぐに免疫をつけたい」「出発まで時間がない」という方には、短期間で免疫を獲得できる迅速接種スケジュールが適用可能です。
- 1回目:初回接種
- 2回目:1回目の接種から7日後
- 3回目:2回目の接種から21日後
長期的な免疫を維持するためには、3〜5年ごとの追加接種(ブースター接種)が推奨されます。
- 接種を推奨する方
-
以下に該当する方は、特にワクチン接種をおすすめします。
- ヨーロッパ、ロシア、北海道などの流行地域に渡航・滞在予定の方
- キャンプやハイキング、農作業など、屋外での活動が多い方
- ダニ媒介性脳炎のリスクがある地域で長期滞在予定の方
