扁桃炎
扁桃炎の概要
扁桃は口蓋垂の両脇にあり、鼻や口から細菌が入ることを防ぐ役割を果たしています。
その扁桃にウイルスや細菌が付着し、炎症を起こすことを「急性扁桃炎」といいます。
細菌やウイルスにより扁桃組織が腫れて痛みや発熱を起こします。
扁桃は鼻の奥(咽頭扁桃、アデノイド)や舌の付け根(舌根扁桃)などにもあるため、これらが炎症を起こすこともあります。
扁桃炎から炎症が波及すると扁桃周囲に膿が溜まり、口を開けられない、食事がのどを通らないなどの激しい症状を伴うことがあります。
扁桃炎の検査
問診と視診
まずは問診票で患者様の症状について詳しくお聞きし、病歴や生活習慣などを確認します。診察ではのどの状態を直接目で確認するため、視診を行います。赤く腫れている扁桃腺や膿がついている場合、扁桃炎の可能性が高くなります。
溶連菌迅速抗原検査
扁桃炎が細菌性かウイルス性かを区別するために、迅速抗原検査が行われることがあります。特に、A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)による感染が疑われる場合、この検査をすることがあります。のどから採取した検体を使い、短時間で結果が出るため、早期に治療方針を決定することができます。
培養検査
迅速抗原検査で結果が得られない場合や、感染の原因がはっきりしない場合には、のどから採取した検体を培養して、どの細菌が原因かを調べることがあります。この検査は時間がかかることがありますが、細菌の特定や抗生物質の適切な選定に役立ちます。
血液検査
特に慢性扁桃炎が疑われる場合や、全身的な症状が重い場合、血液検査を行い、炎症の程度や感染症の有無を確認します。
終夜睡眠ポリグラフィー
扁桃腺の肥大が呼吸に影響を及ぼしている場合、必要に応じて、睡眠時無呼吸症候群の有無を確認するための検査(終夜睡眠ポリグラフィー)を行うことがあります。
関連ページ:終夜睡眠ポリグラフィー
扁桃炎の治療
のどの痛みを取り除くために炎症を抑える薬と、細菌に対して抗生剤を処方することがあります。
炎症がひどい場合には抗生剤の点滴を行うこともあります。
症状が頻繁に再発する場合や、扁桃腺の肥大が原因で呼吸困難や睡眠時無呼吸症候群を引き起こす場合には、手術(扁桃摘出術)が考慮されることもあります。その場合には手術のできる病院へ紹介をします。
伝染性単核症
伝染性単核症の概要
伝染性単核症は、エプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)によって引き起こされるウイルス感染症です。主に唾液を介して感染するため、名前の通り、キスやその他の接触によって広がることが多いです。しかし、飛沫感染や感染者との接触などでも感染が広がる可能性があります。症状は風邪やインフルエンザに似ており、のどの痛み、発熱、倦怠感などが特徴です。
多くのケースは軽度で回復しますが、場合によっては合併症を引き起こすこともあります。
伝染性単核症の検査
問診と視診
最初に医師が患者様の症状や経過をお聞きし、のどの状態やリンパ節の腫れ具合を確認します。特徴的な症状が現れている場合、伝染性単核症が疑われます。
血液検査
伝染性単核症の診断で最も一般的な検査は血液検査です。
異常な白血球数(リンパ球の増加)、抗EBウイルス抗体の検出、肝機能検査(肝臓に影響が出る場合があるため)を調べることが一般的です。
これらの検査で、EBウイルスの感染が確定することが多いです。
抗体検査
抗EBウイルス抗体検査では、過去に感染したか現在の感染があるかを判断することができます。この検査で、急性期の感染を示す抗体が高い場合、伝染性単核症と診断されます。
伝染性単核症の治療
特異的な治療法はあまりなく、対症療法(解熱鎮痛薬の投与)で治療することがほとんどです。症状がつらいときは点滴や入院が必要なことがあります。
声帯ポリープ
声帯ポリープの概要
声帯ポリープは、声帯にできる良性の腫瘍で、主に声を酷使することや喫煙などの要因によって引き起こされます。声がかれる、出しにくいといった症状があります。
特に声をよく使う職業の方(教師、歌手、営業職など)には多く見られます。
声帯ポリープの検査
問診と視診
まずは、医師が患者様の症状や生活習慣(声を使う頻度や状態など)についてお聞きします。その後、のどの状態を確認するために、のどを直接観察します。
喉頭ファイバー(内視鏡検査)
声帯ポリープの最も一般的な検査は、喉頭ファイバースコープを用いた内視鏡検査です。細いカメラを鼻または口から挿入し、のどや声帯をリアルタイムで観察します。この検査により、ポリープの大きさや位置、状態を詳しく確認できます。
CTやMRI(必要に応じて)
まれに、ポリープの範囲や他の異常の有無を確認するために、CTやMRIでの検査を行うこともあります。その場合、検査可能な施設をご紹介します。
声帯ポリープの治療
保存療法
軽度のポリープや初期の症状に対しては、まずは保存療法が試みられます。
声帯を使いすぎないよう、声を休めることが重要です。大きな声を出さない、長時間話さないよう心掛けましょう。
また、炎症を抑えるために消炎剤やステロイド薬を使用することがあります。のどの腫れや炎症を軽減し、回復を促進します。
手術療法
保存療法で改善が見られない場合や、ポリープが大きくなり声に大きな影響を与える場合には、手術療法が検討されます。声帯ポリープの手術は、内視鏡下でのポリープ摘出が一般的です。手術を行う場合は可能な病院を紹介します。
咽頭がん・喉頭がん
頭頸部がんの概要
頭頚部がんは、のど、口腔、鼻腔、喉頭(声帯)、耳などの頭頚部領域に発生するがんの総称です。この種類のがんは、初期症状が他の病気と似ていることが多いため、早期発見が難しいことがあります。喫煙や飲酒が主なリスク因子ですが、最近では人間パピローマウイルス(HPV)との関連も指摘されています。
主な症状は、のどの痛みや違和感、声がかすれる、発声がしづらい、口内やのどにしこりができる、咳や血痰、体重減少や食欲不振などがあります。
頭頚部がんは、進行すると呼吸や飲食に支障をきたすことがあり、早期発見と治療が重要です。
頭頸部がんの検査
問診と視診
まず、問診票で症状や生活習慣(喫煙、飲酒歴など)を確認します。その後、のどや口腔、鼻腔などの視診を行い、異常がないかをチェックします。
喉頭ファイバースコープ(内視鏡検査)
のどや声帯の状態を直接確認するために、喉頭ファイバースコープを使った内視鏡検査が行われます。鼻または口から細いカメラを挿入し、リアルタイムでのどや声帯を観察します。これにより、がんの兆候や異常な組織を確認することができます。
CTスキャンやMRI
がんがどの程度進行しているか、また周囲の組織に浸潤しているかを調べるために、CTスキャンやMRIが使用されます。これらの画像診断により、がんの広がりを詳細に確認できます。
生検(組織検査)
がんが疑われる部位から組織を採取して、顕微鏡で詳しく調べる生検が行われます。この検査で、がんの種類や悪性度を確定することができます。
頭頸部がんの治療
治療法は、病気の進行度合いや患者の状態によって選択されます。
手術療法
がんが早期で局所的な場合、手術でがんを摘出することが可能です。手術は、がんの部位や広がりによって異なりますが、腫瘍を取り除くことによって、再発のリスクを減らします。
放射線療法
放射線を使ってがん細胞を攻撃する治療法です。手術後に残ったがん細胞を狙って放射線を照射したり、手術が適さない場合に放射線だけで治療を行うこともあります。放射線療法は、がんの進行具合や部位によって効果的な場合があります。
化学療法(抗がん剤治療)
化学療法は、がん細胞の増殖を抑制するための治療法です。進行したがんや転移が認められる場合に、化学療法が行われることがあります。複数の薬剤を組み合わせて使用することが一般的です。
免疫療法
最近では、免疫療法が新しい治療法として注目されています。免疫療法は、体の免疫機能を活性化させてがん細胞を攻撃する方法です。特定のタイプの頭頚部がんに効果が期待されています。
再建手術
手術でがんを摘出した後、特に口腔やのどに大きな切除が必要な場合、再建手術が行われることがあります。患者様の生活の質を向上させるために、見た目や機能を回復させるための手術です。
